<<メインページに戻る

2006年02月10日号

「ミュンヘン」

ミュンヘンテロ事件の後日談描く

 スティーヴン・スピルバーグが歴史の裏に隠された真実を題材に描く、重厚な人間ドラマ。ミュンヘン・オリンピックで実際に起きたテロ事件の後日談を、事実とフィクションを交えて映画化。報復のための暗殺を命じられたイスラエル工作員たちの苦悩にスポットをあて、国家への忠誠心や家族への愛を描きつつ、真の世界平和の意味を問う。主演は「トロイ」のエリック・バナ、六代目ボンドを務めるダニエル・クレイグなど実力派が顔を揃えている。脚本は、ピュリッツァー受賞のトニー・クシュナーと、「フォレスト・ガンプ」でアカデミー賞脚本賞受賞のエリック・ロスが担当している。
   ◇    ◇
 一九七二年九月五日、ドイツのミュンヘン。オリンピック開催中の選手村に、パレスチナのゲリラ“ブラック・セプテンバー 黒い九月”が侵入するというテロが発生。イスラエルのコーチ、選手、大会役員十一人が人質となり、世界中が見つめる中、事件は、全員が死亡するという悲劇的な結末を迎える。

 この事件に激怒したイスラエル側は、機密情報機関「モサド」の名のもと、暗殺チームを編成し、報復を企てる。

 リーダーに任命されたのは、平凡な青年アヴナー(バナ)だった。彼は、愛国心に溢れた若者で、テロ事件の残忍さに怒りと悲しみを感じていた。任務はテロ首謀者とされるパレスチナ人十一名の暗殺。人を殺したことなどないアヴナーだったが、悩んだ末、命令に従うことを決意し、身重の妻に事情を説明することもできぬまま、一人ヨーロッパに飛び仲間と顔を合わせるのだった。

 集められたのは、皆民間人だがその道のスペシャリストたち。鼻歌好きの車輌のスペシャリストのスティーブ(クレイグ)、物静かで几帳面な後処理のスペシャリストのカール、おもちゃ職人でもある爆弾のスペシャリストのロバート、インテリ風の文書偽造のスペシャリストのハンス、の四人だ。アヴナーをリーダーとする五人は、ジュネーブで出会い結束を固める。

 テロの報復のために集められたスペシャリストたちは、各国を飛び回り、テロ首謀者とされる人物を一人一人消していく。時に危険に遭遇しながらも、着実に、任務を成功させていくのだった。しかし、彼らは逆にその世界で有名になり、各国の情報機関にもその存在を知られるようになっていく。そして、ついに犠牲者が出てしまうことに。

 それを“正義”と信じ、指示を受けるがまま任務を遂行する彼らだったが、いつしか見えない恐怖と狂気の中をさまようことになるのだった。
【2月4日より公開】

copyright(C)keiocampus newspaper 2004-2006;