[Column/Feb.05]

2005年02月10日号 Vol,442

塾風満帆

 一月初旬、日本テレビで「5分のVTRがあなたの人生を変える」という番組が放映された。会場には三十人の若者が集められ、順に放映されるVTR(どれも実話)を見て、もし感動すれば席を移動するという企画もの。しかし、集まったのは、皆一癖あるような人ばかり。「すべてにやる気のない男」「他人の幸せを許せない男」「愛人志願の元バスガイド」ら▼しかし、そんな彼らもVTRに感動し順に席を立っていく。自分が見ていて一番感動したのは、「父親の夢を受け継いでタップダンサーになった息子の話」。父親の夢は、映画の中でタップを踊ること。父はその夢を果たせずに他界してしまうのだが、六歳からタップを始めた息子が、その夢を実現する。出演した映画は北野武監督の「座頭市」。当時の日本人の出で立ちで、華麗なタップダンスを披露している。その息子というのは、現在ヒデボーの名で活躍中で、今や日本の若手No1タップダンサーと言われている▼テレビに集まった人のうち、結局四人は席を立たなかった。それでも、感動のVTRが二十六人の心を動かしたのは事実だ▼何か利己的になりつつある世の中だが、どんな人の心も変わる可能性を秘めている。そのためには、世の中に、もっと感動的な、もっと人の心を動かすような…体験や出来事、そしてそれを伝えるメディアが必要だと思う。

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