2008年09月10日号
日伯国際シンポ開催
サンパウロ大と共催
移民100周年 本学と縁深く
本学とサンパウロ大学(USP)が共催する日伯国際シンポジウムが、八月十六、十八、十九、二十日の四日間にかけてUSP法学部と医学部の各キャンパスで開催された。このシンポジウムは、日本のブラジル移民百周年と義塾創立百五十年を記念したもので、外務省の日伯交流年事業にも認定されている。
慶應義塾とブラジルの縁は古く、福澤諭吉は著書『世界国尽』の中で、日本において初めてブラジルを紹介した人物として知られている。また、日本とブラジルの国際交流の歴史は、そのまま慶應義塾とブラジルの歴史であるともいえる。
一九〇八年に第一回移民船笠戸丸がサントス港に入港する一ケ月前、本学で学んだ山縣勇三郎がリオ・デ・ジャネイロ港へ到着しており、山縣はブラジル移民のパイオニアとして活躍した。また、本学の卒業生で皇国殖民会社社長の水野龍は、この第一回移民船を神戸港から出航させるのに尽力し、のちに銀座で「カフェーパウリスタ」を開業、ブラジルのサントスコーヒーを提供するなど、日本でのコーヒー普及に努めた。
この後も一九三〇年八月に、本学医学部出身の細江静男が外務省の嘱託医としてUSP医学部を卒業したのを機に、現在も本学医学部の学生団体・国際医学研究会(IMA)を派遣するなど医学分野の交流が続いている。一九八一年に慶應義塾とサンパウロ大学間で学術交流協定が締結されてからは、法学分野でも学術交流が活発に行われている。
シンポジウムは、日本に移住しているブラジル人が直面している、言語の壁や日々の生活、教育や就労、医療保険などの問題解決に向けた研究から、日本とブラジル双方の研究者たちの先端研究を対象としたもの。法学分野では消費者法、移民関係法などに、医学部分野では消化器病学、皮膚科学、眼科学、寄生虫学など四つのテーマに分かれており、本学から来伯した森常任理事以下法学部七人、医学部十八人ほか計三十人が互いに議論を交わした。