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2008年05月10日号

多文化特集  留学生インタビュー

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  シドニー留学生
    ゾン・イヴォンさん

  「多文化は楽しい」

 現在、塾内では800人を超える留学生が学んでいる。今回話を聞いたのは、多文化政策の先進国であるオーストラリアからの留学生、ゾン・イヴォンさん。イヴォンさんは、シドニー大学に通う学生で、塾員が設立した義塾留学のための奨学金制度を利用して来日している。

 オーストラリアといえば、ブロンドの白人というイメージであったが、イヴォンさんはアジア系の顔。なぜなら、彼女は2歳の時に、香港から移民してきている。どうも先のイメージが正しくないようで、オーストラリアにはイギリス・イタリアといったヨーロッパ系から、中国・ベトナムといったアジア系、中東系と様々な人種の移民が住んでいる。だから、異なる人種の人に会っても、「特に出身は聞かないです。みんなオーストラリア人」という意識らしい。

 日本は「恥の文化」とも言われ、人目を気にして和を重んじようとする。これは逆に、違いに敏感であるからとも言える。実際、異文化に対する抵抗感は強い。島国で交流の機会が少ないからかもしれない。「日本は韓国、中国と近いですが、オーストラリアは近くに国がないので脅威がないです」と、やはり地理的な要因はありそうだ。

 違いを調和するコツは、何なのだろうか。「みんな移民してきたという背景を持っているので、対立は少ないです。お互いの考えを尊重しようとします」「多文化は楽しいですよ」とあまり意識していない様子。皆、移民という同じ苦労をしてきているので、理解しよう、助け合おうという精神が強いのかもしれない。

 「オーストラリアでは、平等がすごく大事です。だから年齢の違いで相手を敬う、敬語の勉強は難しいです。概念としては、理解できないです」という。しかし、日本で平等とか自由が強調されると、自分勝手になるという感覚があるが、どうなのだろうか。「そこは思いやりがあるので、そんなことありません」「日本では、先輩が後輩に嫌な仕事をやらせますが、オーストラリアでは、先輩でも交替でやります」と、感覚が違うようだ。

 では、家族という感覚なのだろうか。返ってきた反応は、「家族というより仲間です」。実質、まだ200年という若い歴史を持つ国。移民という同じ境遇、自由・平等を大切にする気風、多様な文化があっても当たり前の環境だ。これらのことが、人間そのものを大切にし、異なるものへの寛容さ、「共生」を可能にしているように感じた。

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