2008年05月10日号
薬学の未来を拓く 第2回薬学部特集
教育・創薬研究を先導
前回は、薬学部長の笠原先生から、合併による新たな可能性などについての話を聞き、また薬学部についての概略を紹介した。今回は、医療を取りまく環境の変化と、その中で薬学に対する期待について掘り下げてみた。今回は、義塾は薬学部の新設を通して、どのようなことを目指しているのかを考えてみたい。
薬剤師に対する期待
日本は高齢化社会を迎え、医療の充実は重要な課題になっている。世界最高レベルの医療水準を誇る我が国においても、医療崩壊が問題視されるなど、医療を取りまく環境も変化してきている。そうした中で改革を求める声も大きくなり、薬剤師の重要性も高まっている。
チーム医療
これまで現場は医師主体の医療だったが、最近では「チーム医療」という言葉が使われるようになった。これは、医師・看護師・薬剤師など、医療人が役割分担してお互い対等な立場で連携をとるものである。医師が患者を診察し、薬剤師が薬の専門家として投薬する薬を決め、看護師は患者の情報をキャッチして還元するといった形になる。把握すべき専門的知識が膨大になる中、分業による効果的な医療体制が期待される。
薬剤師教育
2006年4月から薬剤師教育が変わり、6年制が導入された。これは、薬剤師が薬というモノを対象にするところから、医療人として人を対象にする役割を大きくしようというものである。薬の知識を現場で実践していく応用力や、コミュニケーション能力を向上させる教育の必要性が増し、あと2年の教育期間を設けることになった。チーム医療を実現していく上でも、演習や実習の機会が増えることは望ましい。
ジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品とは、もともと後発医薬品と呼ばれるもので、特許が切れた薬を他の製薬メーカーが製造した薬のことである。黒柳徹子さんが出演するCMを見た人も多いのではないだろうか。
有効成分は同じで、開発費が抑えられる分、安価なのが特徴である。欧米では広く普及しているが、日本ではあまり使用されていない。その理由に、品質や効果に疑問を持つ医師が多いことがある。実際のところ、全く同じ薬ではないので、効果には違いがある。
しかし、その特徴をうまく活用すれば、安価でより効果的な治療が可能になる。政府も、医療費削減のために普及を推進している。今年4月からは、処方箋様式が変更になり、ジェネリック医薬品の使用を促進する書き方になる。薬に豊富な知識を持つ薬剤師への期待は大きい。