2007年02月10日号
安西塾長があいさつ 福沢翁の志 偲ぶ

図書館旧館で展示会も
第百七十二回福沢先生誕生記念会が一月十日、三田キャンパス西校舎ホールで行われた。平日にもかかわらず八百人が収容できるホールはほぼ満席となり、多くの塾関係者が集う中、安西塾長が年頭挨拶を述べたほか、福沢家を代表して福沢範一郎氏が挨拶に立った。慶應義塾では、福沢諭吉先生が誕生した天保五年十二月十二日(陽暦の一八三五年一月十日)を記念して、毎年一月十日に福沢家の方々を招き義塾社中で誕生日を祝っている。
記念会は、最初に幼稚舎生による「福沢諭吉ここに在り」斉唱、ワグネル・ソサィエティーによる「日本の誇」合唱が行われ、続いて安西祐一郎塾長が年頭の挨拶を述べた。
慶應義塾を取り巻く国内外の情勢や義塾の現状、来年に迫った義塾創立百五十年の記念事業について説明した塾長は、「慶應義塾が未来への先導者として歩むべき時代となったことが実感される」と語り、世界に大きな変革の波が押し寄せる中、義塾が国内のみならず、国際的にもトップレベルの学塾となるべき必要性を強調した。
塾長の挨拶に続き、慶應義塾評議員会議長・三菱地所株式会社取締役会長の福沢武氏が「私にとっての福沢諭吉」と題して記念講演を行い、福沢先生の次男捨次郎の孫という自身の立場から見た先生の魅力や人間性について具体例をあげて語った。
同氏は自らの福沢諭吉観を決定的に変えたものとして、福沢先生の自伝である「福翁自伝」をあげ、先生の適塾時代の様子や、禁酒を試みて酒とタバコの両方をたしなむようになってしまった失敗談などのユーモラスなエピソードを紹介し、「福沢諭吉の豊かな人間性に深い感嘆を覚えた」と述べた。
また同氏は、先生を「円満なヒューマニスト」と表現し、その陽性で前向きな姿勢を社会の先導者に必要な要素として高く評価した。
その後、福沢家から福沢範一郎氏が登壇し挨拶した。
式典にあわせて、第三十一回小泉信三賞全国高校生小論文コンテストの表彰が行われ、受賞者には安西塾長から賞状と記念品が授与された。
学生食堂ホールに会場を移して行われた新年名刺交換会では、多くの塾員・塾生が新年の挨拶を交わした。
また当日、図書館旧館の一階展示室では「福沢先生関係資料展」が開催され、福沢先生が健康維持のために行っていた居合で使用した刀などの遺品や自筆の草稿、書簡などが展示された。
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