2006年05月10日号
塾風満帆
今年、海上保安学校への志望者が昨年の二〇%増加し、過去最高を記録した。滅多にないことと驚いたが、その理由を知ってまた驚いた。志望者激増の理由は、海難救助を任務とする海上保安庁の潜水士の活躍を描く、昨年放映されたテレビドラマ「海猿」の影響であるという。あきれる程の大反響だが、陽の光が当たらぬ中、人の命のために自らの命を懸ける人達がいる、という事実を知ることができたのは、実際ありがたいことだと思う。
幸い、私も映画版を見る機会に恵まれたが、そこには文字通り満身創痍の訓練光景や、仲間を失う悲劇も描かれ、きれいごとでは済まない現実が感じられた。でも、潜水士たちはそれゆえの誇りと、何にも代えがたい喜びを仲間と分かち合っているように感じ、自分もこうなりたい、と強く思わされた。
世界のHONDAの創始者、本田宗一郎氏は「私はたえず喜びを求めながら生きている。そのための苦労には精一ぱいに耐える努力を惜しまない」と語る。「海猿」の潜水士たちのように、誇りを持って人のために生きることは喜びだろうが、その前の苦労と努力から逃げないようにしたい。
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