2006年04月10日号
「私の塾生時代」 フジテレビアナウンサー斉藤舞子さん(2004年経卒)
自分より相手を大切に
『あっぱれさんま大教授』や『笑っていいとも!』で、そのフレンドリーな姿がお茶の間の人気を博している斉藤舞子さん。フジテレビ入社三年目ながら、何事にも一生懸命に取り組む前向きな姿勢と、元気いっぱいの笑顔で、今年も一層の活躍が期待される。今回、斉藤さんに、大学時代や入社以来の歩みを振り返ってもらい、新入生へのメッセージを語ってもらった。
――斉藤さんの大学時代はいかがでしたか。
大学時代の四年間は自分を変えた貴重な四年間だったと思います。私はもともと人と交わるタイプではなく、暗いわけでもないですが、かといってみんなと戯れるわけでもなく、わが道を行く、というどちらかというと冷たい感じの子でした。でもある時、ちゃんと周りの人としゃべらないと、ということに気が付いて、それから友人とも積極的に付き合うようになり、前向きな今の性格になりました。昔の友人が今の私を見たら、こんなにフレンドリーだったっけ、ってきっと驚くと思います。
私は普通の大学生と違って、サークルにもゼミにも入っていませんでした。でも、大学にこだわらず、もっと輪を広げて色んな人たちと付き合えばいい、と思っていたので、学校で何かを学ぶというよりも、それまでの人脈から広がった人間関係の中で、友人に誘われるまま、年齢の異なった色んな人たちと学外で交流したり、スポーツをしたりするうちに視野が自然と広くなったと思います。周りの人や環境に助けられて生きてきたと感じています。
――アナウンサーに対する当初のイメージは。
そもそもアナウンサーって話すことが武器じゃないですか。私はもともと話すのが得意でもなく、周りの友人でアナウンサー志望の子はアナウンス学院とか通ってすごい頑張っていましたし…夢のまた夢の世界で、私は違う、と思っていました。
――では、なぜアナウンサーに。
何事も最初からできる人はいないですよね。私は話すのが上手でもないし、素晴らしい言い回しを持っていた訳ではありませんでした。でも、だからこそここで教えてもらおう、と思ったんです。そのことだけは就職試験の時にもずっと言い続けました。実は、私は試験で原稿読みがあっても、何の試験か分からなかったり、フジテレビの有名な番組を知らなかったり、アナウンスの学校があることすら知らないような状態でした。周りに比べて、「私何やってんだろう…」と劣等感を感じる期間でもありました。でも、自分にできることは元気に一生懸命やることだ、ありのままの自分を見てもらおう、と思っていたので落ち込むことはなかったです。
結局、私にとって一般的な就職活動というものは謎のままで、OB・OG訪問もせず、エントリーシートも嘘は書けないと思っていたので、とりあえず見やすいように字を大きく書くだけで、やりたいことも見つかっていない、できないものはできないと率直に書き、空欄もたくさんありました。今から考えるとありえないことですが、その自分を受け入れてくれた会社があったので、自分がやってきたことは間違いではなかったのかなと思ったりもします。
仕事を通じて知った本当の優しさ
――今年でいよいよ入社三年目ですね。
この会社での二年間は自分にとって本当に大きかったです。最初は何がなんだか分からず、とにかく一生懸命にやろうとはするものの、原稿の内容も理解せず、字面だけ覚えて話そうとしたり、人の話は聞かない、失礼なことは言う、自分の発言の影響力の大きさにも全く気がついていませんでした。普段の自分とテレビの中の自分とのギャップも大きくて、画面の自分を見るのが嫌で嫌で。視聴者の方からクレームをいただいたりして、「私は一生懸命やってるのに、なんで分かってくれないんだろう」と悩んでいる時期もありました。
それまで私は、一生懸命頑張るところや、優しいところが自分の長所だ、と思っていたのですが、抱えている悩みを会社の先輩に相談した時、初めて私の思っている一生懸命さや優しさは間違っている、ということに気が付くことができました。自分がしていることを相手や見ている視聴者はどう受け取るか、自分の発言でどう人を生かすことができるのか、相手がどう気持ちよく仕事ができるか、とか、そこまで先を考えて、相手を思いやって行動することが本当の一生懸命さであり優しさなんだよ、ということを教えてもらったんです。「なるほど、そういうことだったんだ!」って驚きでした(笑)。自分が伝えたいことがあるときでも、周りのことをきちんと分かってからでないと伝わらないんだな、ということに気が付いたんです。それからは肩の力が抜けて、仕事もプライベートもすごく楽しくなりました。
――斉藤さんにとって今の環境は。
アナウンサーとしての技量を学ぶ以上に、内面で教わることが多い会社だということを感じています。トラブルがあってもみんなとても親身で、他の部署の会ったこともない方から励ましのメールをいただいたりとか、廊下ですれ違った時に厳しい指摘を受けつつも、暖かく励ましてもらったりもします。
よく、アナウンサーは聞き上手であれ、と言われますが、インタビューをしていても、相手の方が今どういう状況で、どういう思いでいるのか、そういうことをきちんとくみ取ってお互い分かり合えないと、本音で話していただくことはできません。また、自分が嫌な思いをして仕事をしている時は、やっぱり見てる方も同じ思いを感じるものなんですね。
そういうことを、この環境が自然に気づかせてくれたと思います。この四月から三年目を迎えますが、ようやくスタートラインに立った気持ちです。
――最後に、新入生へのメッセージを。
皆さんも、これからきっと人間関係で悩みを抱えたりすると思うんですけど、その時に一番に考えるべきなのは「自分」ではなく、常に「相手」なんですよね。自分はこうなのに…という前に、じゃあこの人はどう思っているんだろう…と思ってもらえたらいいなあと思います。
大学時代はバイトとか旅行とか、いっぱい遊んだらいいと思うんですけど、その前提として「心」というものを大切にしてほしいと思います。私自身、何かに感動して涙を流した経験もなく、すごく冷めた人間でした。でも、それは違う、ということに気が付きました。自分に無理せず素直に、でも相手のことを思いやりながら頑張ってほしいと思います。
【さいとう・まいこ】1981年5月2日生まれ。札幌市出身。04年本学経済学部を卒業し、フジテレビにアナウンサーとして入社。『笑っていいとも』で金曜日のテレフォンアナウンサーを担当し、毎週日曜日放映の『あっぱれ!!さんま大教授』では司会明石屋さんまのアシスタントを務める。同じく日曜朝の『晴れたらイイねッ!!』にも随時出演中。
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