2005年04月10日号
“私の塾生時代” 大下容子さん(テレビ朝日アナウンサー)
大学の友人は生涯の財産
テレビ朝日アナウンサーとして、現在『ワイド!スクランブル』『SmaSTATION』といった人気番組の司会を務める大下容子さん。テレビの画面からもその人柄のよさがにじみ出るように、大下さんは本紙インタビューにも終始にこやかな笑顔で応じてくれた。今回、大下さんに、慶應大学時代の思い出や、新入生に向けたメッセージを語ってもらった。
――最初に、大下さんの大学時代の思い出をお聞かせ下さい。
慶應での四年間、ずっとテニスサークルの活動を続けたとこが特に思い出深いですね。普通、学年が上がるとサークルには出なくなると思うのですが、私はテニスが好きだったので、四年生までずっとサークルに出続けていました。それで四年生の後半は、テニスばかりしていました。学業に関しては勉強した記憶はほとんどなくて、試験前だけ必死になって勉強しました。一夜漬けの連続で、夜、友達から借りたノートのコピーを「読めない!」などと言いながら、解読していたのを覚えています(笑)。またゼミに関しても、野球やテニスをしたりと、スポーツでの思い出が強いですね。先生がお好きだったこともあったと思います。
――印象に残っていることというと?
ゼミの代表をしていた関係で、ゼミナール委員会にも所属していたのですが、またそこでの仲がすごくよかったんです。ゼミ対抗のソフトボール大会を運営し、皆で準備したり、夜飲みに行ったり、鍋パーティをやったりと。ゼミの世界とゼミナール委員会の世界と両方を楽しませてもらって、友達もさらに大きく広がりました。その財産は何より貴重だったと感じています。
――大学の友人とは、今でもつき合いはあるのですか。
テニスサークルの友人とは今でもよく会っていて、一緒にテニスをしています。メールでやりとりして誘ってもらうのですが、2、3上の年代の方と後輩と、土日に集まってやっています。昔は取れていたボールが今は全然取れなくなったりして、「脚が動かなくなった…」とか言ったりしながら、楽しい時間を過ごしています。脚はついていかないんですけど、気持ちだけは大学時代に帰りますね。すごくリフレッシュになります。
――最初からアナウンサーを目指していたのですか。
なれたら楽しいかなと思っていたくらいで、就職活動は他にも、銀行やメーカー、商社などいろいろな業種も考え、OG訪問も行いました。アナウンサーはほとんど受からないのが当然だと思っていたので、現実的な就職活動もきちんとしないといけないと。その点、慶應の方々は皆さんすごくよくしてくれました。慶應の後輩というと、忙しいのに時間を作って会って下さって、その結束の強さ、ありがたさを就職活動の時に、しみじみと感じました。ありとあらゆるところで慶應の卒業生が活躍されているので、その点は本当に心強いですね。
――大下さんにとっての慶應とは?
慶應の方って皆、人がいいですよね。大学時代も嫌な人はいなかったですね。私は、高校までずっと広島だったので、女子校からの人とか、下からの人とか皆洗練されていて、地方から来た私には慶應は馴染めないのではないかと、不安の固まりで入学しました。そう思ったら、テニスサークルでも、ゼミでも、下からの人もいれば、地方からの人もいて、さらに帰国子女の人もいるのですけれど、本当に皆、温かくて人がいい。だから、最初の心配は一切なかったですね。自分中心に考えないで、人のことに気を遣うことのできる人ばかりでした。
帰国子女が多いのもまた、とってもよかったですね。広い空気を吸った人たちが入ってきて、ちょっとした会話を聞いていてもかっこいい。くしゃみをしたりすると、「ブレス ユー」とかいう言葉が飛び出したりする。ちょっとしたことがすごく新鮮でした。テニスサークルでも、帰国子女の子が審判をすると、発音がすごくよくて、そういう一つ一つのことがとても面白かったです。最初はカルチャーショック並みの驚きでしたが、広島しか知らない私にとってはすごくすてきなことでしたね。
――お仕事を通して学んだことや、楽しかったことは?
今は、ほとんど生放送の仕事が多くて、あの言い方はちょっとわかりにくかったなとか、あの一言は余計だったなとか、逆にあそこは言葉が足りなかったと、落ち込むことは度々です。でも、ダメだなと思うことが多いのですが、時々、とてつもなくうれしいことがあって、それでもう、苦しいことでも全部帳消しになってしまいます。例えば、オリンピックやサッカーのワールドカップなどのビッグイベントの取材に行かせてもらったりすると、本当にアナウンサーという仕事冥利に尽きるというか。間近で金メダルの瞬間を観られたり、つい最近では、サッカーの北朝鮮戦で大黒選手の決勝ゴールの瞬間に立ち会えたり。私はとてもスポーツが好きなので、そういう感動、興奮を伝えることができると、たまらなく嬉しくて、本当に自分は幸せだなと感じますね。熱い現場に立ち会えるというのが、この仕事の何よりの醍醐味ですね。スポーツに限らず、旬の人に取材ができたり、とても勉強になります。
――最後に、新入生に、大学生活を充実させるためのアドバイスをお願いします。
自分の入学の時のことを、今でもすごく鮮明に覚えているのですが、私は、すごく不安が大きかったんですね。地方から来たというのもあるし、一人暮らしも初めて、そして慶應という巨大な大学はどういうものなのかと思って。もちろん、キャンパスライフの期待も大きかったのですが、不安もすごく大きかった。でも、案ずるより産むが易しというのか、不安に思っていても全然そんなことはありません。大学四年間というのは、若くて好奇心も一杯で体力もあるし、やりたいと思ったことを何でもできる期間だと思うので、勉強に精を出すもよし、遊びを徹底的にするもよし、旅行にじゃんじゃん行くもよし、バイトを一生懸命やるもよし。自分がやりたいと思ったことを全部やり尽くして悔いのない毎日を送ってほしいと思います。
それと、友達をたくさんつくることが一番大切だと思います。社会人になっても学生の時の友達というのは特別なので、恥ずかしくても、一生懸命いろいろな人に話しかけてほしいと思います。慶應には、様々な経歴の人たちが、全国、さらには世界から集まっているようなもので、それを生かさない手はないと思います。慶應は、そういう懐は、とてもとても深い大学だと思います。求めれば、いくらでもそれに応えてくれます。是非、積極的に行動し、たくさんの友達をつくり、そして貴重な経験をたくさんしてほしいと思います。
【おおした ようこ】 1970年広島県生まれ。1993年慶應義塾大学法学部法律学科を卒業し、テレビ朝日に入社。98年から『ワイド!スクランブル』(月~金曜日11時25分~13時05分)の司会を、2002年からはSMAPの香取慎吾とともに『SmaSTATION』(土曜日23時~24時)の司会を担当している。
copyright(C) keiocampus newspaper 2004-2006;