2008年09月10日号
『最後の授業』 ランディ・パウシュ+ジェフリー・ザスロー著、ランダムハウス講談社

夢を叶える大切さ説く
昨年九月、米国カーネギーメロン大学で「最後の講義」を行ったランディ・パウシュ教授が、十カ月後の今年七月二十五日、四十七歳で亡くなった。昨年八月に、すい臓がんで余命三~六カ月と宣告された教授の最終講義の題は、「子どもの頃の夢を実現すること」。教授は壇上で腕立て伏せをするほどの快活さで、自らどのようにして夢を実現してきたかを語った。この講義は、インターネットで世界の六百万人以上が受講し、米紙記者が編集した本書は三十カ国語に翻訳され、世界的なベストセラーになっている。
その講座は、何より、六歳を頭にした三人の子供たちへのメッセージで、今はまだ理解できないだろうが、大きくなった時、父がどんな思いで彼らを育ててきたか知ってほしいから。それを、わが家で一人で語ったのでは、真実味が出ない。やはり、仕事場である大学で、教え子らを前にしてこそ真剣に語れ、予想以上の成果が出せると、バーチャル・リアリティーの世界的権威である教授は考えた。
八歳の時、人類が初めて月面を歩くのを見た教授の夢とは、①無重力を体験する②NFLでプレーする③百科事典を執筆する④(「スタートレック」の)カーク船長になる⑤ぬいぐるみを勝ちとる⑥ディズニーのイマジニアになる――だった。教授はそれらを、障害を乗り越えながら実現してきた。そこで「障害とは、その向こうにある何かを自分がどれほど真剣に望んでいるかを証明するチャンスだ」と教える。
「教師の第一の目標は、学生がどのように学ぶかを学ぶ手助けをすること」と言う教授は、人としての生き方を基本にしながら、必要な知識を教えた。「人生を正しく生きれば、運命は自分で動き出します。夢のほうから、きみたちのところにやって来るのです」と。感動的な本書とともに、インターネットでの講義視聴をお勧めする。(T)
【税込一五七五円】
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三田ベストセラー(2008年8月)

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